冬の凋落前に紅に彩られた山

秋翳

1958 (昭和33)年/東京国立近代美術館

 三角形の紅葉の山、薄曇りの空。この単純な画面の対比、分割の構図を長い間、考えていた。秋の紅葉の山を何度も見ているうちに、浮かんできた画想である。

 冬の凋落を前にして、全山紅に彩られた静かではあるが、充実した山の姿が描きたかった。

 制作に当たって探してみると、条件に合う山はなかなか見当たらなかった。この山もどこの山というものではない。しかし、この作品を描いてから、秋の山を旅するたびに、よく似た山を何度も見出すのである。

 

(東山魁夷『東山魁夷館所蔵作品集Ⅰ/三彩社』より)

東山魁夷記念一般財団法人
秋翳
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東山魁夷記念一般財団法人 秋翳
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